アメリカ大陸を横断してみよう

アメリカ合衆国の東西はおよそ2,500マイル(1マイルは1.609キロメートルですからおよそ4,000キロメートル)ほどあります。日本の北海道から九州までおよそ3,000キロメートルですから、アメリカ大陸が広大であることと、日本が南北に長いことがわかります。

多分、通常のルートはニューヨーク又はワシントンDCを出発し、西部開拓時代をイメージして西へ進み、カリフォルニアのサンフランシスコやロサンゼルスをゴールに定めるルートでしょう。

ゴールデンゲートブリッジは世界で最も美しい橋の一つです。大陸縦断の最終目的地にふさわしいでしょう。

私も何度かレンタカーで大陸横断をしました。バイク横断される方もいます。私もバイクは好きですが、アメリカ大陸の横断に使う気にはなりません。あれはほぼ外ですから。

特に印象深いルートをご紹介します。

それはカリフォルニア州のサンディエゴを出発し、インターステート8を東に進み、アリゾナ州でインターステート10に変わって終着のフロリダ州ジャクソンビルへ、そのままインターステート95を北上してニューヨークを目指すルートです。

サンディエゴ(カリフォルニア)→ツーソン(アリゾナ)→エルパソ(ニューメキシコ)→サンアントニオ(テキサス)→ニューオリンズ(ルイジアナ)→ジャクソンビル(フロリダ)→サバナ(ジョージア)→コロンビア(サウスカロライナ)→ラーリー(ノースカロライナ)→リッチモンド(バージニア)→ワシントンDC→フィラデルフィア(ペンシルバニア)→ニューヨークというルートです。

このルートだと東西の横断で2,352マイル(3,784キロメートル)、南北の縦断で1,041マイル(1,674キロメートル)、トータルで3,393マイル(5,458キロメートル)です。

ご存知のとおりインターステートは州をまたいで走る高速道路で、東西が偶数号、南北が奇数号です。このシンプルな仕組みさえ覚えておけば、大陸横断はナビなしで問題ありません。実際、私はレンタカーのナビはほぼ使いません。大都市でレストランを探すときくらいでしょうか。

初日は、前日までに借りたレンタカーで朝の日の出と共にサンディエゴを出発します。アメリカでは夏時間のことをDay Light Save Systemというとおり、夜の走行は危険ですから太陽の出ている間にできるだけ走ります。

初日の目的地ツーソンまでは310マイル(500キロメートル)ですが、途中のユマで給油します。アメリカのロングドライブでは、燃料計(fuel gauge)が半分くらいになったらすぐに給油します。次の街(gas station)まで100マイルなんてことが普通だからです。砂漠でガス欠は死と隣り合わせですからね。

カリフォルニアからアリゾナ、ニューメキシコ、テキサスあたりを走っていると、街と街の間に人工物は何もありません。何時間も走って、遠くにマクドナルドとガススタンドのサインが2つ見えてくると、一つの区切りです。

今回のロングドライブでは、久しぶりにグランドキャニオンに立ち寄ることにしました。8号線を東進し、10号線と合流したら、まずは北へ向かいます。

アリゾナを走っていると緑が多い印象を受けます。基本は砂漠なんですが。

しばらく北上するとすぐに州都フェニックスです。この街は、サボテンを植えることを奨励しているだけあって、街中でサボテンを見ることができます。大都会ですが、今回の旅では用がないので通過します。

さらに北上するとグランドキャニオンの玄関口フラッグスタッフに到着します。有名なルート66もこの辺りを走っています。

ジョン・スタインベックの怒りの葡萄(The Grapes of Wrath)の舞台です。ルート66とスタインベックのお話はまたいつか。

とりあえず、グランドキャニオンの展望台、サウスリムを目指します。と言っても、車で行くとあっけないほど簡単にサウスリムへ到着します。

生まれて初めてグランドキャニオンを目の当たりにすると、これが現実の世界かと不思議に思うことでしょう。シュールとはこのようなことか、と私は思いました。皆さまのご感想はいかがでしょうか。

グランドキャニオンは、一生に一度は必ず見ておきましょう。それだけの眺望です。個人的に私はユタにあるモニュメントバレーが好きですが、グランドキャニオンも風格がありますね。