ニューヨークに来られた方は、美術に興味があってもなくても、必ずメトロポリタン美術館には行きましょう。
マンハッタンの五番街を北上すると、セントラル・パークの東、アッパー・イーストサイド82丁目にその広大な美術館は屹立しています。
設立構想が提示されたのが1864年、開館したのが1870年です。収蔵数はおよそ300万点、入場者数が年間650万人以上の、世界最大級の美術館です。ここの特徴は、ジャンルの幅広さです。
中に入ってみるとわかりますが、あまりに広すぎて、また収蔵品のジャンルが豊富すぎて、目的もなくふらっと入っても疲れるだけです。
必ず、何を見たいのか、ぼんやりとでも予習してから行きましょう。
例えばエジプト文明の緑色のカバ、通称ウイリアムを見たい。
ストラディバリウスのバイオリンを見たい。
本物のミイラを見たい。
フランス印象派の絵画を見たい。
スーラの点描画の習作を見たい。
日本の葛飾北斎を見たい。
など、何でも構いません。
きっとあなたが興味をもつ作品があるはずです。
私は古楽器が好きです。装飾の施されたグランドピアノやチェンバロなど、現代でも演奏可能なものは、たまにメットのサロンコンサートで演奏されることがあります。