私にとってブラームスとは。

ヨハネス・ブラームスは1833年ドイツ・ハンブルグ出身の作曲家です。ドイツの偉大な作曲家の中でも、特に顕著な功績のあった偉人、マエストロです。

彼の作風は、重厚な音の響きと広い音域の華麗な旋律が特長です。このことは、演奏技術が相当高度でないと、他人に聴かせられる演奏にはならないことを意味します。それは小編成で演奏される室内楽曲に顕著であり、特にファンの多い弦楽五重奏曲や三重奏曲、2曲あるチェロ・ソナタは、私には正直なところ歯が立ちません。譜面どおりに演奏するのはできるですが、例えば他の楽器とアンサンブルを行うには、非常に高度なレベルで曲全体を調和させる能力が必要となるからです。

必然的に、私のようなアマチュアが演奏できるブラームスは、4曲ある交響曲に限られることになります。この中では、作曲を始めて完成するまでに21年を要したことで有名な1番が圧倒的に有名であり、演奏機会も多く、私も何回演奏したかすぐに思い出せないほどです。4番も旋律の美しさと悲劇的な構成が素晴らしくて演奏機会も多い作品ですが、田園交響曲とも言われる2番と、映画音楽にもなった3番も、愛すべき珠玉の作品です。

よく言われることですが、クラシック音楽の作品は、どれも無駄な音は一つもありません。それは完璧主義であるか否かではなく、作曲者が全知全能をかけて生み出した楽曲には、無駄な音が入る余地は生まれないと思うからです。

特にブラームスの作品は、旋律の音が信じられないくらい飛びます。1オクターブ上がってすぐに半オクターブ下がるくらいは驚くに値しません。そのようなダイナミックな旋律の移行が、彼の作品の重厚さと相まって大きな魅力となっています。

私が生まれて初めて演奏したブラームスは、多分交響曲第2番だったはずです。ドイツの田園を散策する際の大自然の音の響きを感じるこの曲は、旋律の美しさと伸びやかな雰囲気から演奏会のプログラムとしてもよく目にする作品です。

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