初めてマンハッタンを歩いた時の感動を覚えていますか。
その日、私は深夜便でJFKに到着し、バスでペンステーション近くのホテルに投宿しました。窓のないような安宿でしたし、心酔していたサリンジャーのThe Catcher in The Ryeのホールデン少年になったような気持ちで夜のマンハッタンを歩いたのです。
さすがに通りに人の気配は少なく、それなりに緊張もしたのですが、深夜のマディソンアベニューを歩いていてエンパイアステートビルに目を奪われました。深夜でしたが、まだライトアップしていたと記憶しています。歩いて数丁目ですから行こうと思えば行けたのですが、なぜかその遠景の美しさに、それ以上近づく気持ちはなくなりました。
翌日、朝一番の地下鉄でバッテリーパークへ行き、私は自由の女神に登ることにしたのです。
王冠までは螺旋階段を歩いて登れることはみなさん知っていますね?
遠くに眺めるマンハッタン島の景色は、海から摩天楼が屹立している様子が衝撃的です。当時はまだワールドトレードセンターがあったのです。あんな南の端に巨大なツインタワーがあることに驚きます。地震がない都市だからでしょう。
自由の女神の美しさを語るには、もう少しニューヨークを語ってから、いつかまたこの場に戻ってきたいと考えています。