買ったチェロのセットアップ

初めて自分のチェロを手にした時の感動は、今でも鮮明に覚えています。

木の香りとニスの光沢が刺激的でした。音を出してみると、よく共鳴すること、音が遠くまで届くこと、そして音色のきらびやかなことに魅了されました。

さて、今日は楽器を演奏する前の基本的なセットアップについてお話します。

チューニングの前に、駒がまっすぐ立っているか確認します。

真上から、次に真横から眺めます。少しでも曲がっていると、音が正しく共鳴しませんし、放置すると駒が曲がってしまいます。

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駒を見たついでに、弦がきちんと駒に乗っているか確認します。たまに駒の溝からずれていることがあり、また弦が切れそうになっているのを発見することがあります。

それでは椅子に座って、楽器を構えてみましょう。

椅子は何でも構いませんが、私はピアノ用の椅子を使っています。背もたれは不要ですし、肘掛けがあると演奏の邪魔ですから。

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このとき、椅子には浅く腰掛けます。私はエンドピンをできるだけ短くします。楽器全体を後ろから抱きかかえるイメージで、この方が両足の膝で楽器をコントロールしやすいのです。

エンドピンは、実は色々な材質のものが販売されています。材質によって音色がびっくりするほど変わります。できれば自分の好みにあった音色のものを選びたいところです。私はタングステンを使っています。

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次にチューニングです。

ピアノや音叉でA(ラ)の音を出し、それに合わせて1番弦(A線)を合わせますが、最近はチューニングメーターを使います。これなら高低を表示してくれますから、とても簡単です。ちなみにA=442Hzです。

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糸巻(ペグ)を回すのはコツが必要です。ギターなどと違ってペグは木だけで作られており、ものすごい力で張られている弦を正しい長さ(張力)で固定しているのはペグと楽器本体の木の摩擦だけです。

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ですから音程を調整しようとペグを回すには、強い力が必要です。しかしペグを動かす距離はわずか数ミリですから、その手加減を誤ると弦は簡単に切れてしまいます。1本1万円くらいすることもある高価な弦を、いちいち切っていてはもったいないです。

コツは慣れれば簡単です。ペグを緩めた状態で正しいチューニング箇所を探し、ここ、と言うポイントでグッと奥へペグを締め付けるのです。

チェロの弦は高い張力に耐えられる設計になっていますから、ヴァイオリンなどとは違ってそれほどチューニングは狂いません。ですから、ほとんどの演奏者はテールピースにアジャスターの付いたものを使い、ペグでチューニングせず、アジャスターで微調整しています。

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全ての弦を個別にチューニングしたら、最後に1番弦と2番弦(A線とD線)、2番弦と3番弦(D線とG線)、3番弦と4番弦(G線とC線)をダブルで引き、きちんと共鳴するか耳で確かめます。そして最後にもう一度、A線を合わせて完了です。

チューニングは必ず自分の耳で確かめましょう。チューニングメーターの音程が正しいか、定期的な校正は必要です。

ところで、英語圏の人々は音をアルファベットで呼びます。ドレミファソラシドの音階はCDEFGAHCです。もちろんシー、ディー、イー、エフ、ジー、エイ、エイチ、シーと発音するのは言うまでもないのですが、なぜか日本ではドイツ語で発音します。ツェー、デー、エー、エフ、ゲー、アー、ハー、ツェーとなります。最初はものすごく違和感を感じるのですが、ほぼ全ての音楽関係者がドイツ語で音階を発音しますから、慣れるしかありません。

長調は英語ではメイジャーですがドイツ語ではドゥーア、短調はマイナーとモールです。半音高いとis、半音低いとesを付けます。C(ツェー)に♯を付けると半音高いCis(ツィス)、♭を付けると半音低いCes(ツェス)というように。

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