ニューヨーク大学

ニューヨークにはコロンビア大学以外にも有名な大学がたくさんあります。

その代表格はニューヨーク大学、NYU(エヌ・ワイ・ユー)です。

アッパー・イーストサイドのコロンビア大学に対し、NYUはダウンタウンの中心地、ワシントン・スクエア周辺にキャンパスがあります。グリニッジ・ヴィレッジ、ソーホーなど街そのものに活気があって、学生の多いことが相乗効果となっているエキサイティングな空間です。

学生数も多く、常時57千人を超えています。学生のレベルの高さだけでなく、授業料が全米でトップクラスに高い大学の一つとしても有名です。ですから、よほどの知力と財力がない限り、日本から留学するのは厳しいと言わざるを得ません。

それでも、将来のビジョンがしっかりあって、その実現の手段として有効と考えられる方ならぜひチェレンジしてください。ただそのクラスの学生なら、NYUよりハーバードやMIT又はコロンビアやイエールなどを選ぶような気がします。

あえてメリットを上げるならマンハッタンで生活できることでしょうが、どうせアメリカの学生は一日中勉強していないといけないので、場所はあまり関係ないのかもしれません。むしろスタンフォードなどの西海岸の方が気候は穏やかで開放的です。

それでもニューヨークのダウンタウンの魅力は、若者であればこそ実感できるはずです。ミッドタウンやアッパー・イーストサイド、アッパー・ウエストサイドを構成するのは、どちらかと言うと社会的な地位を得た階層が中心であるのに対し、ダウンタウンは街を歩くだけでパワーがみなぎる感覚がします。これから自分がどれだけ成功するのか、期待できる未知数の若さを感じます。

私自身は、オフ・ブロードウェイ・ミューカルやジャズ・ライブを観に行くときにしか立ち寄らないエリアなのですが、ハーレムの混沌よりは整然としているものの、ミッドタウンと比較するとごちゃごちゃした印象が好きです。

ちなみに、ニューヨークには有名な公立大学があります。ニューヨーク市立大学、CUNYです。

この大学は、1853年のペリーによる黒船来航の後、初代アメリカ合衆国弁理公使として1859年から1862年まで静岡県下田市に滞在し、日米修好通商条約を締結したタウンゼント・ハリスが1847年に創設した大学としてアメリカでは有名です。

CUNYの特長は、いわゆる本部というものがないことです。歴史の古さではマンハッタンのシティ・カレッジが有名ですが、ブルックリンやクイーンズなどにそれぞれ独立したキャンパスがあり、統治も別です。コミュニティカレッジもありますから、留学生にとってはやや入学しやすいのかもしれません。しかし、ニューヨークで大学生活を送りたいのなら、NYUに入るべきです。毎日ソーホーに通うのと、毎日ブルックリンからマンハッタンの摩天楼を眺めるのでは違いが大きすぎるように思います。

最後に、タウンゼント・ハリスの墓地は、ブルックリンのグリーンウッドというイーストリバーを見下ろす丘にあり、墓碑銘とともに静岡県下田市寄贈の銘板が設置されています。なぜか有名人の墓地を訪ねる方が多くて私は不思議なのですが、グリーンウッドにふらっと行っても絶対に迷子になりますよ。必ず現地の案内人に正確な場所を確認して行きましょう。