Adagio molto e cantabile という指定があります。
直訳すると、とてもゆっくりと、歌うように。
のだめカンタービレで有名になった「カンタービレ」です。
この曲はいわゆる緩徐楽章です。
木管楽器の導入部から、静かな田園風景、又はドイツの大河の水面の揺らめきを連想させます。
弦楽器が第1主題を奏でると、この曲の全体の印象が静寂にあると理解できます。
その後、第1ヴァイオリンではなく、むしろヴィオラを主体とする旋律がとても滑らかに空間を流れていきます。
この主題は変奏され、展開します。
最後にトランペットが高らかに勝利感のある旋律を歌い上げると、再び弦楽部の三連譜でこの楽章が終わります。
次の最終楽章へは、多くの場合アタッカで、つまり休止することなく直ちに突入します。私はこれまで5回くらいこの第九をフルオーケストラと合唱付きで演奏したことがありますが、アタッカで入らなかったことはありません。
でも楽譜にそのような指示はありません。
そのような都合から、この第3楽章の前に独唱者が入場することが普通です。
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