マンハッタンで生活していると、身近なようで縁遠いランドマークがあります。私にとってはニューヨーク近代美術館(MoMA)がその典型です。
以前のオフィスは、MoMAのエントランスの通りを挟んだ向かい側のビルの2階にあり、私のデスクから目の前に見えました。ピカソ展のような大人気の展示がある場合は行列ができるのでそれとわかったほどです。
しかし、メトロポリタン美術館やアメリカ自然史博物館に月に何度も通った博物館・美術館好きの私ですが、MoMAはあまり足が向きません。
それは自分が近代美術に対し積極的な嗜好性を有しないからだと思っています。
それはともかく、世界の近代美術をリードする一大拠点であることには疑いの余地はないほど高名で評価の確立した世界的美術館ですから、歩いてみましょう。
場所はマンハッタンの五番街とマディソンの間、53丁目にあります。ヒルトンホテルやセントパトリック教会から至近距離にあります。
ニューヨーカーは、ニューヨーク近代美術館のことは例外なくMoMA(モマ)と呼びます。 The Museum of Modern Artの頭文字です。
しばらく本館は工事中でしたが、現在はリニューアルが終わり、完全な姿を見せています。と言っても、マンハッタンのミッドタウンのど真ん中にあり、周囲の高層建築のためその建物の全容を遠くから見ることはできません。目立つのはMoMAの幟旗です。
ともかく中に入ってみましょう。チケットはまともに買うと大人25ドルですが、金曜日のみ午後4時以降は無料です。夜8時までやってますからそこが狙い目でしょう。ただし日が落ちると庭園の展示作品や庭を楽しむことはできません。
この美術館は「近代美術館」ですが、印象派の作品もあります。公式ホームページ(英語版のみhttps://www.moma.org/)には過去の特別展の歴史があり、最初の展示はセザンヌ、ゴーギャン、スーラ、ゴッホ展を1929年11月に行ったことがわかります。
所蔵作品は15万点あり、現代美術と呼ばれるものだけでなく、建築、写真、工業デザインなど多岐に渡ります。
1階の屋外庭園がお勧めです。いわゆる中庭です。ここには彫刻が展示されており、よく見るとピカソやロダンの名前も。
2階はコンテンポラリーアートです。私も含め、現代美術が苦手な人はパスしたくなりますが、アンディ・ウォホールだけはお見逃しなく。
3階は建築、デザイン、写真などの展示があります。日常生活のデザインとして参考になります。
4階は1940年代から70年代の絵画と彫刻です。ここと一つ上の5階は、この博物館でもっとも人気のある展示コーナーです。アンディ・ウォホールの「ゴールド・マリリン」「ダブル・エルビス」は見たことがあるでしょう。さらにロイ・リキテンシュタインの「溺れる女」「ボールを持つ少女」も素晴らしい作品です。
さて、いよいよ大人気の5階です。ここにはあまり近現代美術の知識のない方でも知っているピカソ、ダリ、モネ、マネ、ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌなどの作品がめじろ押しです。
このフロアはいつも大混雑していますが、閉館時間が近づくと人は少なくなります。ゆっくり鑑賞してください。
館内には、ギフトショップや書籍売り場も充実しています。近代美術館だけあって、工業デザイン製品のお土産は気が利いていてお手頃価格です。